トタン屋根の上に子猫。
じっとこっちを見ているから、
写真とっていい?
と声をかけてからパシャリ。
その間もその後も、じっとこちらをみたままだ。
少し大人になりかけている、グレーの毛並みと茶色い瞳がきれいな子猫。
こんなとき、この彼(彼女?)は何を考えているんだろう?
なんてことを思いながらバイバイと手をふってそこを後にした。
そんなある昼時の時間。
* * * * * *
今朝のこと。
ちょっと文具を捜して引き出しの中を探っていたら、
昔のメモ帳のようなものが出てきた。
'94 '95 '96
と書いてある。
もう、14~16年前のものってことだ。
ぱらぱらと中をめくってみると、
大学時代から社会人1年生時代のものだった。
当時好きだった作家や、ほしい本、行く予定の美術館や展示会、
好きな言葉、仕事のメモ・・・などなど
そんなものがとりとめもなく書かれていた。
裏表紙には当時好きだった作家の絵と好きなデザイン広告の切抜きが貼ってある。
不思議なもので、こういう「好き」は今でもあまり変わらない。
らくがきもいっぱいだ。
ちょうど今の季節11月12月くらいに書いたと思われるものがいくつかあった。
冬がそこまで来ている。
寒くてきびしくて
あったかくてやさしい冬が
冬のにおいがする
泣きたくなるほど心にしみる
手袋,マフラー,こたつ,オレンジ色のみかん
鼻の奥がツンと痛くなる冷気
冬の夜黒い空いっぱいの星
どれもこれも考えただけで嬉しくなる
冬は冬眠の季節
せわしさから離れて、ゆっくり眠る
たくさん、自分の中のたくわえを作る
そんな季節
鼻の奥がなにやらふつふつと熱くなってきた
冬が来る
寒くてきびしくてあったかい冬が
こんなメモがあった。
96年11月と日付が入っている。
今年は冬が少し遅れてきているから、ちょうどいまの感じにぴったりだ。
基本的な感じ方ってかわらないものだな~と
改めて思いました。
そして、昔の私のほうがちょっと今よりいろんなことに敏感で、
丁寧に生きていたのかもしれない、と思った。
年を重ねてきた今、関わる人、想い、どんどん増えてきた。
いまの私の財産だ。
だから、もっと丁寧に、いろんなこと、味わっていこう。
そんな風に思いました。
年を重ねるって素敵ですね。